10月5日、本日の日経深部朝刊の1面の見出しです。
住宅ローン、定年後に遠のく完済への道のり
日頃、不動産仲介をしていて実感していましたが、借入時の高齢化と昨今の超低金利により借入融資額が増えたため、必然的に、完済年齢も上昇というわけです。日本経済新聞が住宅金融支援機構のデーターを調べたところ20年間で平均年齢が68歳から73歳へと約5歳上がり、昨今は老後に返済リスクを先送りする実態が見えてきたという内容です。
完済年齢平均73歳 「高齢化」になった3つの要因
晩婚化による住宅取得時期が遅れている
2000年代前半の借入平均年齢37歳~38歳だった。その後、結婚年齢の上昇等で住宅を一時取得する時期が遅くなり、
2013 年度以降は40歳代で推移している。
超低金利による住宅価格の上昇
安倍政権になってから、デフレ脱却金・金融緩和政策の恩恵を受け、住宅(特にマンション)の価格が一気に上がりました。その影響で総融資額を件数で割った平均融資額は20年間で1900万円から3100万円に増加、超低金利の恩恵を受けようと頭金を減らして多めに借りる方が増える。
返済期間の長期化
融資額が増えたことによるり、融資時点での平均返済期間も伸びている。返済期間は不動産市況が良好だった世界金融危機前に一時32年を超えた以外は30~31年で推移してきたが、この数年は再び長期化が原著となり、2020年度では、平均借入期間が32.7年の過去最長となる。月収に占める毎月の返済額の比率は、22%程度で近年大きな変化はなく、借入額が増えたことが返済期間の長期化を招いていると言える。
老後に備えて 返済計画の見直しをしよう
完済年齢が上昇する弊害は、収入の減る老後の返済負担が重くのしかかることです。退職金は減少傾向。60歳時点ローン平均残高は20年間で約700万円から1300万円超える水準まで増加しているので、計画的に繰上返済を勧めないと老後にリスクを先送りする事になる。
当てにならない退職金、老後にアルバイトも
雇用延長で老後も一定の収入を得られる機会は昔に比べ増えているが、給与水準が大きく下がる中で返済を続けるのは生活を圧迫してしまう。仮に70歳まで雇用が伸びても役職定年で給料が半減することもあり、退職金も減少傾向にある。定年が伸びても、それ以降にローンが残る場合は、年金だけでは不足しがちで、パートやアルバイトを始めてやりくりしている高齢者も増えているとか・・・
繰上返済も検討に入れつつ、70歳までの完済を目指そう
70歳以降も仕事を続けている人はもちろんいるが、少ない。若い時のように体は動かない為、そこを当てにすることよりは計画的に繰上返済をしていこう。出来れば遅くても70歳までに返済を終えたいもの。今や100万円単位のまとまった金額でなくとも金融機関では数万円から繰り上げ返済可能な時代です。住宅ローン借入した年齢や、家族構成にもよるが、余裕がある時は、少しずつでも繰り上げ返済をしていけば、ある程度借入期間を圧縮できます。
借りる際も気を付ける
85歳未満まで借りられるローン登場。一部の民間金融機関が完済時年齢引き上げに動き始めた。利用者にとっては住宅購入の選択肢が増える一方、老後の返済リスクも高まるのでよく吟味する必要がある。
近年は利用者のほとんどが35年を選ぶ傾向が強い。現状フラット35では完済時の年齢を原則80歳未満としています。ということは35年組める年齢は44歳まで。35年で組めた方が月々の返済が抑えやすいため返済のプランが立てやすいです。例えば、子供が小学生低学年ぐらいまでであれば、35年で組んでおき返済をしておく。小学校高学年から習い事や塾など通わせたい、など支出が大きくなってきたら繰り上げ返済をやめて、もともと月々の支払額で支払い続ける。子供が社会人になれば、また繰り上げ返済を増やし、期間を短くするということも出来ます。繰り上げ返済を含めた返済プランも借りる際シミュレーションや検討をしておきましょう。
以上、中田でした。
3